1. m3.comトップ
  2. 海外ジャーナル
  3. 鎌状赤血球症に新たなゲノム治療が有効か

鎌状赤血球症に新たなゲノム治療が有効か

2023年10月7日  New England Journal of Medicine

鎌状赤血球症に用いるOTQ923、CRISPR-Cas9で編集したCD34+造血幹細胞・前駆細胞(HSPC)産物を前臨床実験と多施設共同第1-2相臨床試験で検討した。健康なドナーから得られたCD34+細胞を72種類のガイドRNA(gRNA)の1つとCas9との複合体で電気穿孔して、HBG1およびHBG2プロモーターのCRISPR-Cas9タイリングスクリーニングを行い、赤血球分化した子孫細胞における胎児ヘモグロビン免疫染色赤芽球(F細胞)の割合を評価し、F細胞の割合が最も高かったgRNA-68を臨床開発用に選択した。重症鎌状赤血球症患者を対象に、多施設共同第1-2相臨床試験でOTQ923の安全性と副作用プロファイルを評価した。 前臨床実験では、CRISPR-Cas9とgRNA-68で編集したCD34+HSPC(健康ドナーと鎌状赤血球症患者から得られたもの)は、オンターゲット編集を維持し、オフターゲット変異を伴わず、in vitro分化後、免疫不全マウスへの異種移植後に高濃度で胎児ヘモグロビンを産生した。臨床試験では、3例に骨髄破壊的前処置後、自家OTQ923を投与し、6-18カ月間追跡...