NERD患者の食道腺がん発生率は一般集団と同程度

非びらん性胃食道逆流症（NERD）患者28万5811例を対象に、食道腺がんになるリスクを住民対象コホート研究で検討。一般集団と比較した。NERDは、内視鏡検査で食道炎や他の食道疾患が認められない場合と定義した。検証コホートとして、内視鏡検査で食道炎が認められたびらん性胃食道逆流症（びらん性GERD）患者20万745例も組み入れた。主要評価項目は、追跡調査期間最長31年間の食道腺がん発生率とした。 その結果、追跡調査期間208万1051人年でNERD群の228例が食道腺がんを発症した。食道腺がん発生率は、11.0/10万人年だった。一般集団での発生率も同程度で（標準化罹患比1.04、95％CI 0.91-1.18）、追跡調査期間が長くなっても上昇しなかった（追跡調査期間15-31年：同1.07、0.65-1.65）。検証コホートのびらん性GERD群（追跡調査期間175万249人年、食道腺がん発生率31.0/10万人年）では、期間が長くなるほど全体の標準化罹患比が上昇した（同2.36、2.17-2.57）。...