食道扁平上皮がんの予後予測に血中循環腫瘍DNAが有用か

香港で、食道扁平上皮がん（ESCC）の再発と患者生存の予測バイオマーカーとして、血中循環腫瘍DNA（ctDNA）の臨床的有用性を単施設のコホート研究で検討。根治療法群74例（中央値66歳、男性76.0％）と緩和療法群73例（中央値63歳、男性86.0％）の連続症例を2年間追跡し、採取した計478件の連続血漿検体を前向きに解析した。主要評価項目は、ctDNAの検出、無増悪生存（PFS）、全生存（OS）とした。 その結果、根治療法群では59.5％が再発し、48.6％が死亡した。根治手術を受けた患者では術後6カ月時点のctDNA高濃度（ハザード比7.84、95％CI 1.87-32.97、P＝0.005）とctDNAの変化（同5.71、1.81-17.97、P＝0.003）が独立してOS不良に関連し、術前化学放射線療法を受けた患者では術前化学療法後のctDNAの変化がPFS不良に関連していた（同3.16、1.17-8.52、P＝0.02）。緩和療法群では97.3％が再発し、93.2％が死亡した。化学療法前のNFE2L2遺伝子変異は、独立してPFS（同2.99、1.35-6.61、P＝0.00...