リスク層別化血栓症予防、肺・消化器がん患者にも有益

全身抗がん剤治療施行の肺または消化器がん患者328例（年齢中央値65歳）を対象に、バイオマーカーによるリスク層別化に基づく血栓症予防療法の臨床的便益および安全性を無作為化第III相試験で検討（TARGET-TP試験）。フィブリノゲンとd-ダイマーに基づく血栓塞栓症リスク評価で200例が高リスク群、128例が低リスク群に層別化された。高リスク群はエノキサパリン群または血栓症予防治療なしの対照群に無作為化され、低リスク群は経過観察とした。 高リスク群の解析の結果、180日時点での血栓塞栓症発生率はエノキサパリン群8％、対照群23％だった（ハザード比0.31、95％CI 0.15-0.70、P＝0.005、治療必要数6.7）。低リスク群での発生率は8％だった（高リスク対照群 vs. 低リスク群：ハザード比3.33、95％CI 1.58-6.99、P＝0.002）。大出血発生率はエノキサパリン群1％、対照群2％、低リスク群2％と低かった（P＝0.88）。6カ月死亡率はエノキサパリン群13％、対照群26％（ハザード比0.48、95％CI 0.24-0.93、P＝0.03）、低リスク群7％だった（...