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耳下腺深葉良性腫瘍に浅葉温存は有効

2023年10月28日  専門誌ピックアップ

耳下腺深葉良性腫瘍患者273例を対象に、浅葉を温存した選択的耳下腺深葉切除術(SDLP)と耳下腺全摘術の転帰を症例シリーズ研究で検討。主要評価項目は、術後合併症発生率および腫瘍再発率とした。 SDLP群は177例(65%)で、女性69%、手術時年齢中央値58歳、耳下腺全摘術群は96例(35%)、女性59%、手術時年齢中央値59歳だった。手術直後にHouse-BrackmannのグレードがIだった患者の割合は、SDLP群が48%、耳下腺全摘術群が21%だった(差28%、95%CI 16-40%)。血腫、唾液腺腫瘤、漿液腫、耳のしびれ、創感染、救急部または手術室への予定外の戻りの発生率に臨床的に意味のある差はなかった。SDLP群では耳下腺全切除群よりもFrey症候群の発生率が低く(1% vs. 15%)、顔面輪郭欠損の発生率が低く(17% vs. 30%)、first bite症候群の発生率が高かった(23% vs. 9%)。初回追跡調査時にHouse-BrackmannのグレードがIだった患者の割合は、SDLP群が67%、耳下腺全切除群が49%だった。1年後のHouse-Brackman...