ICUでの鼻腔内除菌にヨードホールは有益か

米国の137の市中病院で集中治療室（ICU）の成人患者を対象に、ICUでの除菌に消毒薬ヨードホールの有益性を抗菌薬ムピロシンと比較して2群非劣性実用的クラスター無作為化試験で検討。ベースライン期間には全施設でムピロシン＋クロルヘキシジングルコン酸塩（CHG）浴を実施し、介入期間には施設単位で無作為化割付けされたヨードホール-CHGまたはムピロシン-CHGを実施した。主要評価項目は、ICUに起因する黄色ブドウ球菌の臨床培養数とした（非劣性マージン10％）。 その結果、ICU 233室の80万1668件の入院で、患者は平均63.4歳、女性46.3％、平均ICU滞在日数は4.8日間だった。介入期間とベースライン期間とを比較した黄色ブドウ球菌の臨床分離株のハザード比は、ヨードホール-CHG群が1.17（事象の生発生率：ICU寄与日数1000日当たり5.0 vs. 4.3）、ムピロシン-CHG群が0.99（同4.1 vs. 4.0）で、ムピロシン-CHG群のハザード比の差分の差分の方が18.4％（95％CI 10.7-26.6％、P＜0.001）有意に低かった。...