HER2陽性転移乳がんにpyrotinib含む二重抗HER2療法が有効

中国の40施設で、未治療のHER2陽性転移乳がん患者590例を対象に、1次治療としての不可逆的pan-HER（ヒト上皮増殖因子受容体）阻害薬pyrotinibと、トラスツズマブおよびドセタキセルの併用療法の有効性と安全性を無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同第III相試験で検討（PHILA試験）。患者をpyrotinib群（297例）またはプラセボ群（293例）に割り付け、両群ともトラスツズマブおよびドセタキセルと併用投与した。主要評価項目は、治験責任医師の評価による無増悪生存期間（PFS）とした。 その結果、データカットオフ時点で追跡期間中央値は15.5カ月だった。PFS中央値は、pyrotinib群の方がプラセボ群よりも有意に長く（24.3カ月 vs. 10.4カ月）、ハザード比は0.41（95％CI 0.32-0.53、片側P＜0.001）だった。グレード3以上の治療関連有害事象は、pyrotinib群の90％、プラセボ群の76％に生じた。治療関連死は、pyrotinib群では報告なし、プラセボ群では1件報告された（＜1％、糖尿病性高浸透圧性昏睡）。...