貧血を合併する心筋梗塞に非制限輸血でリスク低下せず

心筋梗塞に貧血（ヘモグロビン値10g/dL未満）を合併した患者3504例を対象に、制限輸血（ヘモグロビン値7gまたは8g/dL未満で輸血）と非制限輸血（同10g/dL未満で輸血）を第III相無作為化介入試験で比較（MINT試験）。主要評価項目は、30日時点の心筋梗塞と死亡の複合とした。 その結果、輸血赤血球の平均単位数（±SD）は、制限輸血群が0.7±1.6、非制限輸血群が2.5±2.3だった。無作為化後1-3日時点の平均ヘモグロビン値は、制限輸血群の方が非制限輸血群よりも1.3-1.6g/dL低かった。主要評価項目の事象は、制限輸血群（1749例）の16.9％、非制限輸血群（1755例）の14.5％に生じた（不完全な追跡を多重代入法でモデル化したリスク比1.15、95％CI 0.99-1.34、P＝0.07）。死亡は制限輸血群の9.9％と非制限輸血群の8.3％に（リスク比1.19、95％CI 0.96-1.47）、心筋梗塞はそれぞれ8.5％と7.2％に生じた（同1.19、0.94-1.49）。...