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高血圧のナトリウム/カリウム関連介入に遺伝学を利用可能か

2024年1月20日  専門誌ピックアップ

ナトリウム摂取量低下とカリウム値上昇から特に便益が得られる高血圧患者の特定に血圧(BP)の遺伝的性質が利用できるかどうかを、英国バイオバンクからの抽出データ(29万6475例)などを用いた遺伝学的観察研究で検討。ナトリウムとカリウムの生物学的な経路に特化したBPの生物学的遺伝子スコア(pharmagenic enrichmentスコア)とアノテーションのないゲノムワイドスコア(従来の多遺伝子スコア)を構築し、尿中電解質(ナトリウムとカリウム)とBPに関する遺伝子スコア間に遺伝子・環境相互作用があるか検討した。 その結果、遺伝子リスクと尿中電解質はいずれも独立してBPとの相関があった。ただし、尿中ナトリウムは、ナトリウムおよびカリウム関連経路の遺伝子リスクの高い患者の方が遺伝子リスクの低い患者よりBP上昇が大きく、リスク分布の上位10%では収縮期BPが1.47mmHg上昇し、最下位10%では収縮期BPが0.97mmHg上昇した(P=1.95×10-3)。...