重篤入院患者に緩和ケア相談をデフォルトにする効果は

米国の11の病院で、進行した慢性閉塞性肺疾患、認知症または腎不全で入院した65歳以上の患者3万4239例を対象に、緩和ケアのスタッフを増員せずに緩和ケア相談（palliative care consultation）の実施を通常の設定（デフォルト）にすることで、相談件数が増加し、転帰が改善するかどうかを実践的stepped-wedgeクラスター無作為化試験で検討。72時間以上入院した2万4065例を解析対象とした。 その結果、デフォルト群は通常ケア群（医師が緩和ケアの有無を選択）に比べて、緩和ケア相談の割合が高く（43.9％ vs. 16.6％、調整後オッズ比5.17、95％CI 4.59-5.81）、早期に相談が行われた（入院後平均3.4日 vs. 4.6日、P＜0.001）。主要評価項目の入院期間に群間差はなかった（入院期間中央値の差－0.53％）。デフォルト群はケア群よりも退院時の蘇生処置拒否指示率（調整後オッズ比1.40、95％CI 1.21-1.63）およびホスピスへの退院率（同1.30、1.07-1.57）が高く、院内死亡率はほぼ同じだった（4.7％ vs. 4.2％、同0...