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DFNB9難聴小児の聴力がAAV1-hOTOF遺伝子治療で回復

2024年2月22日  Lancet

中国で、OTOF遺伝子変異を原因とする常染色体劣性難聴9(DFNB9難聴)の小児(1-18歳)を対象に、ヒトOTOF導入遺伝子(AAV1-hOTOF)を含むアデノ随伴ウイルス(AAV)血清型1を用いる遺伝子治療の安全性と有効性を検討する進行中の単群単施設試験の報告。主要評価項目は治療後6週間時点の用量制限毒性とし、聴覚機能と音声認識を適切な聴覚認知評価ツールによって評価した。 小児6例を登録し、1例に9×1011ベクターゲノム[vg]、5例に1.5×1012vgを投与した。そのうち5例の聴力が回復し、平均聴性脳幹反応(ABR)閾値(0.5-4.0kHz)が40-57dB低下した。9×1011vgを投与した1例は、平均ABR閾値が試験開始時の95dBから4週時に68dB、13週時に53dB、26週時に45dBと改善した。1.5×1012のAAV1-hOTOFを投与し、26週時に聴力回復を認めた4例は、平均ABR閾値が、試験開始時の95dB超からそれぞれ48dB、38dB、40dB、55dBに改善した。聴力が回復した全例で音声認識が改善した。用量制限毒性と重篤な有害事象は認められなかった。...