外科手術低リスクASにTAVI対SAVR、10年後臨床転帰に差なし

外科手術リスクの低い重度大動脈弁狭窄患者280例を対象に、経カテーテル大動脈弁植え込み術（TAVI、145例）または外科的大動脈弁置換術（SAVR、135例）を実施した無作為化比較試験（NOTION試験）の10年後の転帰の報告。主要評価項目は、全死因死亡、脳卒中、または心筋梗塞リスクの複合だった。 その結果、10年後の全死因死亡、脳卒中、または心筋梗塞の複合転帰のリスクは、TAVI群が65.5％、SAVR群が65.5％で（ハザード比1.0、95％CI 0.7-1.3、P＝0.9）、個別の転帰にも差はなかった。重度の構造的弁劣化が、TAVI群とSAVR群でそれぞれ1.5％と10.0％に発現した（ハザード比0.2、95％CI 0.04-0.7、P＝0.02）。重度の非構造的弁機能不全の累積発生率はそれぞれ20.5％と43.0％（P＜0.001）、心内膜炎の累積発生率は7.2％と7.4％（P＝1.0）だった。症候性弁血栓症を来した患者はいなかった。生体弁機能不全が、TAVI群の9.7％とSAVR群の13.8％に生じた（ハザード比0.7、95％CI 0.4-1.5、P＝0.4）。...