ポリヘキサニドで術中創傷洗浄のSSI予防効果は

ドイツの12施設で、開腹術を受ける成人患者689例（中央値65.9歳、男性402例）を対象に、ポリヘキサニド溶液による術中創傷洗浄が手術部位感染（SSI）を予防する効果を多施設共同3群無作為化比較試験で検討（IOWISI試験）。患者を、縫合前に術創をポリヘキサニド0.04％で洗浄（292例）、生理食塩水で洗浄（295例）、洗浄なし（102例、対照）のいずれかに、3対3対1の比率で無作為化割付けした。主要評価項目は、術後30日以内の手術部位感染とした。 その結果、手術部位感染の発生率は、全体で11.8％、ポリヘキサニド群で10.6％、生理食塩水群で12.5％、洗浄なし群で12.8％だった。ポリヘキサニドによる洗浄は、洗浄なしまたは生理食塩水による洗浄に対して、統計学的に優越性を示さなかった（ハザード比1.23、95％CI 0.64-2.36 vs. 同1.19、0.74-1.94、P＝0.47）。重篤な有害事象の発生率は3群で差はなかった。...