直腸切除術前MOABPで術後合併症が減少

直腸腫瘍を有する患者565例を対象に、機械的および経口抗菌薬（ネオマイシンとメトロニダゾール）による腸管前処置（MOABP）の有効性を多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験で検討（MOBILE2試験）。機械的腸管前処置（MBP）＋プラセボと比較した。肛門縁から15cm以下の直腸腫瘍に対して、吻合を伴う待機的切除術を実施する18歳以上の患者を組み入れた。主要評価項目は、全ての術後合併症（累積）とし、術後合併症指標（CCI）を用いて評価した。 その結果、MOABP群（277例、年齢中央値70歳、男性57.0％）では、MBP＋プラセボ群（288例、年齢中央値69歳、男性66.0％）に比べ、全ての術後合併症（CCI中央値0 vs. 8.66、Wilcoxonの効果量0.146、P＜0.001）、手術部位感染（8.3％ vs. 16.7％、オッズ比0.45、95％CI 0.27-0.77）、吻合部離開（5.8％ vs. 13.5％、同0.39、0.21-0.72）の発生率が低かった。...