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IPAA前12カ月の抗菌薬投与で回腸嚢炎発症リスク上昇

2024年4月29日  専門誌ピックアップ

潰瘍性大腸炎(UC)成人患者1616例を対象に、回腸嚢肛門吻合術(IPAA)後の回腸嚢炎発症の危険因子について住民対象コホート研究で検討。抗菌薬または非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)の投与および虫垂切除術が、IPAA後最初2年の急性回腸嚢炎発症に及ぼす影響を評価した。 その結果、IPAA後、最初2年での回腸嚢炎発症率は46%だった。抗腫瘍壊死因子α使用および性別で調整後、IPAA前12カ月の抗菌薬投与と回腸嚢炎のリスク上昇との間に関連が見られた(調整後ハザード比1.41、95%CI 1.22-1.64)。IPAA前12カ月にいかなる抗菌薬も処方されなかった患者に比べ、この期間に抗菌薬1-2コースの投与を受けた患者(同1.30、1.11-1.52)、および3コース以上の投与を受けた患者(同1.77、1.41-2.21)では、回腸嚢炎のリスクが上昇した。IPAA前12カ月のNSAID投与(P=0.201)および虫垂切除術(P=0.865)には、急性回腸嚢炎リスクとの関連が認められなかった。...