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エベレスト登山中の不整脈発生率38.2%

2024年4月30日  専門誌ピックアップ

健康な登山者41例(男性100%、平均年齢33.6歳)を対象に、高地(エベレスト山、標高8849m)での頻脈性および徐脈性不整脈の発生について前向きコホート研究で検討。遠征前の検査では、いずれの参加者にも労作性虚血、壁運動異常、または不整脈の兆候は認められなかった。遠征前および遠征中、携帯型心電計を用いた。主要評価項目は、頻脈性不整脈(上室性および心室性)と徐脈性不整脈(洞停止、第2度または第3度房室ブロック)の複合発生率とした。 その結果、標高5300mのベースキャンプに到達した34例のうち、32例は7900m以上まで、さらに14例は山頂まで到達した。登頂までに13例(38.2%)で主要評価項目に関連したイベントが45回生じた。徐脈性不整脈は13例(38.2%)で43回、心室性頻脈は2例(5.9%)で2回認められた。酸素ボンベ不使用下の方が、ボンベ使用下よりさらに低地で不整脈の発生率が高かった。24時間当たりのイベント発生率は、標高5300m(0.16/24時間)から7300m(0.37/24時間)の間で数値的に増加し、それより高地では酸素補給が行われ再び減少した。...