下部直腸がんへの腹腔鏡手術は開腹手術に非劣性

下部直腸がん患者を対象に、腹腔鏡手術による3年生存転帰を多施設共同非劣性無作為化試験で検討。開腹手術と比較した。歯状線から5cm以内のcT1-2N0、cT3-4aN0、またはcT1-4aN1-2直腸腺がん患者（18-75歳）1070例を組み入れた。主要評価項目は3年無病生存（DFS）とした。群間差の片側97.5％下限値が－10％を上回っている場合を非劣性とした。 その結果、修正intention-to-treat（ITT）解析集団1039例（腹腔鏡手術群685例、開腹手術群354例、年齢中央値57歳、男性60％）で、3年DFS率は腹腔鏡手術群が81.4％（95％CI 78.2-84.1）、開腹手術群が79.8％（同75.2-83.6）だった。（ハザード比0.92、同0.69-1.23、P＝0.56）。群間差は1.60％だった（片側97.5％CI －3.34-∞、非劣性のP＜0.0001）。3年全生存率は腹腔鏡手術群が91.7％（同89.3-93.5）、開腹手術群が93.7％（同90.6-95.8）で（ハザード比1.34、同0.82-2.19、P＝0.24）、3年局所領域再発率はそれぞれ...