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世界初、ブタからヒトへの心臓移植の注目点は【時流◆異種移植は本格化するのか】

2022年2月23日  時流

2021年1月7日、米メリーランド大学の医療チームにより、世界で初めてヒトへの遺伝子改変ブタの心臓を用いた異種移植が実施された。同大学の公式サイトによると、2月9日現在、レシピエントの57歳男性に移植されたブタの心臓は問題なく機能しており、24時間体制のケアを受けている様子が伝えられている。異種移植の臨床応用は1980年代に一度本格化の兆しを見せたものの、免疫学的障壁の克服が長年の課題となってきた。今回行われた異種心臓移植の注目点について、国立循環器病研究センター移植医療部部長の福嶌教偉氏に聞いた。福嶌氏は、1984年に世界初のヒヒからヒト乳児への異種心臓移植を行ったLeonard Bailey氏(Loma Linda大学)の下で、1991-1994年にかけて動物モデルを用いた異種移植の研究に従事していた。現在は国内で小児を中心とした心臓移植の臨床で活動を続けている。「最近は異種移植の研究はしていないが、分かる範囲でお答えできれば」と取材に応じてくれた。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・坂口恵/2022年1月26日取材、全4回連載)...