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治験中のがんの薬が「老化治療薬」に生まれ変わる【時流◆老化を「治療」する時代へ】

2022年3月14日  時流

老化は人間である限り避けられないものであり、老化は「治療」の対象ではない――。これが多くの人の老化に対する見方だろう。しかし、東京大学大学院理学系研究科癌防御シグナル分野教授の中西真氏は「老化は治療できる」と考えている。老化細胞を除去することで、さまざまな加齢性疾患が治療できる時代が遠くない将来、訪れるというのだ。老化細胞は臓器や組織によって多様性を持つが、中西氏らは、これらの老化細胞に共通して作用する「老化細胞除去薬(セノリティクス)」の候補として、GLS1(グルタミナーゼ1)阻害剤が有望であることを突き止め、2021年1月にScience誌でその成果を発表し、大きな注目を浴びている(Science. 2021; 371: 265-270)。中西氏に老化治療研究の現状と未来について聞く、シリーズ「老化を『治療』する時代へ」第2回は、老化治療の仕組みや、治療を見込める加齢性疾患について。(m3.com編集部・高嶋秀行/2021年1月11日取材、全3回連載)...