原因不明の急性肝炎、アデノとの関連に疑問も

2022年4月15日から21日にかけて、一部の国々で小児の原因不明の急性肝炎に関する報告が相次いでいる。4月25日には厚生労働省が国内で疑い例が1例発生したと公表し、一部の自治体医師会では、医療現場での警戒度を上げるよう呼びかけている。この急性肝炎、現時点ではアデノウイルスとの関連が疑われているが、アデノウイルスによる肝炎の疫学・特徴はどのようなものか。アデノウイルス肝炎の診療経験を有するなど同ウイルス感染症に詳しい、京都大学血液・腫瘍内科学客員研究員の恩田佳幸氏に聞いた。恩田氏は169例中17例に肝移植が行われているなど急速に症状が悪化している点が気になるとしながらも、現時点の報告頻度から「現時点で過度に恐れる必要はない」と話す。また、これまでの限定的な情報から「アデノウイルスとの関連が疑わしいところもある」と説明する。その理由もあわせて聞いた。（2022年4月26日取材、m3.com編集部・坂口恵）...