1 問診票の作成と活用のすすめ 本項では、小児・思春期の頭痛診療における問診の意義と重要性、問診票の作成と活用のしかたについて述べる。[1]小児・思春期の頭痛診療における問診の意義と重要性 国際頭痛分類 第3版1)には、300以上の頭痛疾患が記載されている。これらの多くの種類の頭痛のなかから、患児の頭痛の診断をつけるのは大変困難なことであるように思われるが、小児・思春期の頭痛の特徴と頻度の知識を持ち、優先順位をつけて戦略的に問診を進めていけば、患児の頭痛の診断に必要な情報を効率よく得ることができる。その意味で、問診は頭痛診療の要である。■ 二次性頭痛の除外 臨床の場では、小児・成人ともに、一次性頭痛の割合が多く、二次性頭痛の割合は少ない。しかし、頭痛の診療ガイドライン20212)には、「一般小児科医、小児神経専門医、小児救急科医にかかわらず、二次性頭痛を適切に診断することは、一次性頭痛(片頭痛、緊張型頭痛)の正確な診断という意味からも重要である」と記されている。小児・思春期の頭痛でも、まずは危険な二次性頭痛を鑑別することが必要である。一次性頭痛と二次性頭痛の鑑別の要点...
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