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日本の透析非導入、初の推計調査で判明した課題【第67回日本透析医学会】

2022年7月20日  m3.com編集部

この数年、日本国内で維持透析導入の見合わせ(非導入)への関心が高まっている。新潟大学臓器連関学寄附講座特任准教授の若杉三奈子氏は、日本における透析非導入割合の推計に関する調査研究をまとめた(日腎会誌. 2019; 61: 91-97)。非導入の推計値は、一般的に対象年の日本の死因統計における「腎不全」の数と、日本透析医学会による「わが国の慢性透析療法の現況」における透析患者死亡数の差で算出可能となるはずだ。しかし、若杉氏の調査からは、調査対象年(2014年)の慢性腎不全を原死因とする死亡者数は2万989人と、同年の維持透析患者全死亡者数2万9525人より少なかったことが判明した。いずれのデータベースも母集団のほぼ100%を網羅する全数調査であるにもかかわらず、なぜシンプルな形での推計がかなわなかったのか。若杉氏による論文報告と、第67回日本透析医学会学術集会・総会(2022年7月1-3日、横浜市、会長=東京女子医科大学血液浄化療法科特任教授・土屋健氏)での講演を紹介する。(m3.com編集部・坂口恵)...