人生の締めくくり期、死前喘鳴で精通しておきたい薬と声かけ
死前喘鳴
死前喘鳴とは、呼吸気時に咽頭や喉頭の分泌物が振動して発生する“ゼィゼィ”“ゴロゴロ”という呼吸音のことである。死前喘鳴は終末期がん患者の40~70%程度に出現し、家族や介護者の80%以上が死前喘鳴に対して苦痛を感じていたという報告もあり、家族のケアも重要となる。死亡16~58時間前から出現するとされ、下顎呼吸と同様、間近に迫る死を示唆するサインとなる。
対応例
輸液の減量・中止
輸液は250~500 mL/日以下とする。
抗コリン薬
2型死前喘鳴には効果が乏しいとされ、抗コリン薬の適用は1型死前喘鳴に限られる(表IV-1)。そのうえ、1型死前喘鳴に抗コリン薬が有効であったとする報告はあるが複数の RCT ではプラセボと比較して有効性が認められておらず、死前喘鳴に対する抗コリン薬のエビデンスは確立されていない。...
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