1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 溶連菌感染症:抗菌薬治療後の検尿は必要?

溶連菌感染症:抗菌薬治療後の検尿は必要?

2023年9月20日  南山堂

疑問2 溶連菌による急性咽頭炎の治療の目的は何ですか? ⇒リウマチ熱の予防。 ◆抗菌薬による除菌でリウマチ熱の予防を行う必要がある。 ◆抗菌薬で発熱、咽頭痛などの症状は早く改善するが、その効果は小さい。 ◆3歳未満の急性咽頭炎=原則wait and see。 急性咽頭炎はほとんどのケースが外来診療で完結する。ただし、「ただの風邪だと思うけど念のため抗菌薬を出しとくから様子見てね」という対応では、完結とはならない。 急性咽頭炎への対応は「wait and see」で問題はなく、抗菌薬の適応は非常に限られている。しかし、患者(というより保護者)は今すぐに熱を下げて安心したくて受診する。ここで今後の見通しを共有することが重要である。つまり、急性咽頭炎であれば抗菌薬がなくても症状はおさまる可能性が高く、抗菌薬が必要かどうかはあとで判断することになるが、それでも小児にとって害はないことを理解してもらうようにしよう。 それでは急性咽頭炎の原因がGASだと判明したとして抗菌薬を投与するのはなぜか。それはリウマチ熱の予防である。今のところ、予防効果が証明されているのはペニシリンのみである1)。さらに...