3.頸部の診察 (2)頸動脈 頸動脈の診察では、視診、聴診、触診を行います。視診では頸静脈の観察とあわせて頸動脈の拍動が観察できるかどうか評価します。特に大動脈弁閉鎖不全症(aortic regurgitation、AR)を有する患者さんでは頸動脈の外向きの拍動が視診で観察されることがあり、Dennison徴候と呼ばれます1)。 (3)甲状腺 ●甲状腺腫大 甲状腺機能異常症は比較的commonな疾患です。特に高齢者における甲状腺機能低下症はよく遭遇する疾患であり、スクリーニングのフィジカルとして甲状腺の腫大がないかあわせて確認しましょう。 甲状腺の腫大は頸部を側方から観察したときに、輪状軟骨の尾側が前方に凸になることで陽性ととらえられます(正常では輪状軟骨の尾側は直線状になります)(図13)、図2)。...
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