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足趾の診かた――先天的な足趾の変形

2023年12月7日  南山堂

第1章 足趾の診かた 足趾の問題で乳幼児期に受診されるケースは意外に多くあります。その多くは肉眼所見で即時に診断が可能です。その多くは治療の不要なものですが、こどもの整形外科診療ではこのようなケースにどう対応するかについて悩む場面が多いと思います。初診医に求められるのは、両親の大きな不安をできるだけ取り除いてあげることです。 (合趾症、多趾症など出生直後から見た目ですぐに診断がつき、手外科・形成外科専門医による手術治療が必要なものに関しては、本章では割愛します。) 愁訴からの診断 1 先天的な足趾の変形 思い浮かべるべき疾患 内反趾(curly toe)、内反小趾(overriding fifth toe、varus fifth toe)、 重なり趾(overlapping toe)、先天性外反母趾、短趾症、合趾症、多趾症 見逃してはならない疾患 進行性骨化性線維異形成症(fibrodysplasia ossificans progressiva:FOP) 足趾の形態異常で唯一診断を急ぐ必要があるのは、「FOP」と呼ばれる疾患です。無策で経過をみると全身の筋肉が骨化していきます。乳幼...