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臨床と宗教――医療からこぼれ落ちるもの

2023年12月28日  南山堂

孫 今日はお話しできるのを楽しみにしておりました。私は2000年卒の総合診療医・家庭医です。家庭医というのは地域の中で、住民のかかりつけ医として働く医師です。外来、入院から、在宅医療にも携わります。そのなかで看取りや緩和ケアにも従事しています。 私自身は仏教哲学にも大いに興味を持っていて、個人的にマインドフルネスとか、ベトナム僧のティク・ナット・ハン師の本を読んだりしています。仏教は終末期だけではなく、人間のウェルビーイングの増進に役立つ部分が大きいのではないかと思っています。今回は森田先生の「ビハーラ僧の実際」(1)という論文を拝読して興味を持ち、いろいろお聞きできればと思いオファーさせていただきました。 森田 恐縮です。 ビハーラ僧の仕事 孫 最初に森田先生は、現在どんなことをされているのか、これまでのご経歴などを簡単に聞かせていただいてよろしいでしょうか? 森田 はい、現在は京都にあります龍谷大学の大学院、実践真宗学研究科におります。主に大学院生の研究指導をしていて、教育の現場に重きをおいています。 ご承知のように、2019年からの新型コロナウイルス感染症の影響で大学機関もかな...