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頚部の診かた――先天性にみられる斜頚

2024年1月22日  南山堂

愁訴からの診断 2 先天性にみられる斜頚(発症時期のわからない斜頚) 思い浮かべるべき疾患 筋性斜頚、骨性斜頚、眼性斜頚 前項(=本連載では割愛します)同様、そのほとんどが筋性斜頚です。しかし、ときに骨奇形による斜頚であったり、斜視が原因であったり、筋性斜頚にそれらを合併していたりすることがあります。こうした斜頚は、診断を急ぐ必要はありません。 診断へのプロセス STEP 1 前項で述べた腫瘤を確認する 腫瘤があれば、ほぼ筋性斜頚とわかりますが、腫瘤がなくても筋性斜頚は否定できません。筋性斜頚を腫瘤のあるもの、筋緊張の強いもの(腫瘤なし)、向き癖(腫瘤なし・筋緊張なし)の3つに分類すると、その割合はだいたい5:3:1くらいです。 STEP 2 斜頚の状態、頚部の可動域制限、頭部変形について診察する 筋性斜頚では、患側へ側屈し、患側と反対側へ回旋した斜頚位をとります(図10-4)。 筋性斜頚では、頚部の可動域をみると、健側への側屈制限と患側への回旋制限がみられます(図10-4)。 筋性斜頚では、斜頭を合併することが多く、患側と反対側の後頭部の扁平化に伴って、患側の顔面が扁平化し、患側の...