脊椎すべり症・分離症の画像読影
2024年5月1日 メジカルビュー社
a 脊椎すべり症 （spondylolisthesis） 脊椎すべり症の原因は大きく脊椎変性すべり症と脊椎分離すべり症とに分けられ、不安定性による上位椎体の前方への偏位をきたす。脊椎変性すべり症は中高年女性に多く発生し、若年者には少なく、後述する脊椎分離すべり症とは大きく患者背景が異なる。脊椎変性すべり症の発症機序は諸説あるが、椎間板変性に端を発した背側支持組織の弛緩、不安定性が主導していると考えられている。女性に多い原因として性ホルモンの低下による腰椎支持組織の脆弱化、筋肉量低下などの内分泌学的要素の影響も疑われている。 腰椎すべり症の原因による分類（Wiltseらの分類）1） Type I： 異形成性脊椎すべり症（dysplastic spondylolisthesis） 上下関節突起の先天的欠損 Type II： 関節突起部脊椎すべり症（isthmic spondylolisthesis） ① lytic type：関節突起間部のストレス骨折（=分離すべり症） ② elongated pars：関節突起間部への成長過程での反復するストレス修復機転による骨過成長 ③ acute ...