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ふらふらは何のせい?

2024年4月22日  南山堂

ふらふらは何のせい? 69歳、男性。2カ月前から徐々に食事量が低下した。1カ月前から食事をほとんど食べられなくなり、ふらつきが目立つようになった。2週間前から歩行もできなくなり、這って移動していた。2日前から会話が噛み合わなくなり、来院当日にはベッドで失禁するようになり、家族が救急要請をした。  既往歴 8年前に胃がんで幽門側胃切除を行っている 家族歴 とくになし 内服薬 メコバラミンのみ バイタルサイン 血圧104/72 mmHg、心拍数90回/分、呼吸数18回/分、体温36.7℃。意識レベルはJCS I-3と見当識障害があり、自分の生年月日も言えない状態であった。 身体診察 眼瞼結膜の蒼白が目立つ。指示に明確に従わないため、詳細な神経所見はとれなかったが、脳神経で大きな異常はなさそうであった。上肢には異常ははっきりしなかったが、下肢はミンガッツィー二(Mingazzini)試験を行うと両側下肢が左右差なくゆっくり下垂した。深部腱反射は両側膝とアキレス腱が亢進しており、バビンスキー反射は両側陽性であった。感覚障害の診察やロンベルグ試験は指示が入りにくい関係で実施できなかった。 血液...