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椎間板ヘルニアの画像読影

2024年5月8日  メジカルビュー社

病 態 病理学的には、椎間板中心部の髄核がその周囲を多層状に包む線維輪を穿破、逸脱した状態を表し、神経根および馬尾神経が圧迫されることで腰痛、下肢痛、痺れなどの神経症状を生じる。 画像上の定義は、椎間板の構成組織注1が椎間板腔注2の境界を越えて局所的注3に逸脱した状態である。この定義は、米国脊椎放射線学会(American Society of Spine Radiology;ASSR)、米国神経放射線学会(American Society of Neuroradiology;ASNR)、北米脊椎学会(North American Spine Society;NASS)が共同で提唱するものである1)。 なお、椎間板組織が椎体終板を越えて頭尾方向へ逸脱した場合、椎体内ヘルニア(intravertebral herniation)もしくはSchmorl結節(Schmorl node)とよばれる。ヘルニアの内容物が"椎間板の構成組織"と定義された背景には、髄核とそのほかの構成組織が画像上、厳密に区別できないことがある。Robertsらは摘出された椎間板ヘルニアの病理組織学的研究において、髄...