「下痢」四大処方の使い分け
今回解説した4処方に対する、下痢を訴える人の分布を図II-9-1に示します。横軸には陰陽の病態を、縦軸には下痢を訴える人の割合をとっています。陽とは熱性、活動性、発揚性の状態を意味します。一方、陰とは、寒性、非活動性、沈滞性の状態を意味します。今回の4処方においては、半夏瀉心湯、五苓散、胃苓湯は陽の病態に、啓脾湯は陰の病態にそれぞれ適応になります。下痢症状を訴える人の多くは、抗病力の有無をみる虚実の視点からは虚証の人が多く、半夏瀉心湯、五苓散、胃苓湯は虚実間証に、啓脾湯は虚証に適応となります。
連載第7回の症例 を考察してみましょう。まず陰陽については、暑がりで、口がねばる、冷たい水を好むことから陽証と判断します。虚実は脈力、腹力とも中間であることから虚実間証と考えます。気血水では、疲れやすい、気力がない、寝汗をかくことからは気虚が、何となく気分が落ち着かない、ささいなことが気になることからは気滞が、物事に驚きやすい、気分がイライラすることからは気逆が示唆されます。以上、陽証で虚実間証、気虚・気滞・気逆の病態と考えます。...
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