「認知症」四大処方の使い分け
今回解説した4処方に対する、認知症の方の分布を図II-3-1に示します。横軸には陰陽の病態を、縦軸には認知症の方の割合をとっています。陽とは熱性、活動性、発揚性の状態を意味します。一方陰とは、寒性、非活動性、沈滞性の状態を意味します。今回の4処方においては、陽の病態には抑肝散、抑肝散加陳皮半夏が、陰の病態には帰脾湯、八味地黄丸がそれぞれ適応になります。認知症の方はほとんどが高齢者であり、抗病力の有無をみる虚実の視点からは虚(=抗病力低下)の病態を呈することが多いと考えられます。今回の4処方はすべて虚実間~虚証に用いる漢方薬です。
先ほどの症例を考察してみましょう。まず陰陽については、寒がりで熱い風呂が好きとのことであり陰の病態と考えます。虚実は脈力がやや弱で腹力は中等度であり、虚~虚実中間の病態と判断しました。陰証で虚~虚実間証の認知症の方であり、今回の4処方からは帰脾湯と八味地黄丸が鑑別にあがります、気血水では、疲れやすい、身体がだるい、気力がないなどからは気虚の病態が、やる気がでない、寝つきが悪いなどの症候からは気滞の病態が示唆されます。...
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