症例: 10歳代(高校生)、男性
病歴: 8年前に骨肉腫と診断、手術後経過観察中の5年前に再発、以後抗がん薬治療を実施中。3rd lineの化学療法で長期間変化のない状態を維持していたが、腫瘍の増大がみられることが伝えられた。本人は落ち着いているものの、主治医が不安になり精神腫瘍科を紹介した。
心理社会的背景: 父と離別した母と2人暮らし。高校生でバンドを組んでいる。
ある日の診察(1)
患者 「進行してしまったみたいです。仕方ないですね。」
医師 「そうか…。つらかったね…。」
患者 「いや、もうそれは…。よくわかりません。治療は継続してほしいです。」
医師 「そうね…。治療継続したいよね。」
患者 「でもこればかりは運命ですから。自分は大丈夫です。母が心配です。」
ある日の診察(2)
パニック発作で救急搬送×2回後
患者 「たいしたことはないのですが、ちょっとしんどくなってしまって…。」
心理士 「しんどかったですね。」
患者 「よくわかりません。でももう大丈夫なんで…。母が心配です。」
20~30分、会話を深めようとしたがうまくいかず。...
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