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つらいなんて言えないよ

2025年10月16日  メジカルビュー社

症例: 10歳代(高校生)、男性 病歴: 8年前に骨肉腫と診断、手術後経過観察中の5年前に再発、以後抗がん薬治療を実施中。3rd lineの化学療法で長期間変化のない状態を維持していたが、腫瘍の増大がみられることが伝えられた。本人は落ち着いているものの、主治医が不安になり精神腫瘍科を紹介した。 心理社会的背景: 父と離別した母と2人暮らし。高校生でバンドを組んでいる。 ある日の診察(1) 患者 「進行してしまったみたいです。仕方ないですね。」 医師 「そうか…。つらかったね…。」 患者 「いや、もうそれは…。よくわかりません。治療は継続してほしいです。」 医師 「そうね…。治療継続したいよね。」 患者 「でもこればかりは運命ですから。自分は大丈夫です。母が心配です。」 ある日の診察(2)  パニック発作で救急搬送×2回後 患者 「たいしたことはないのですが、ちょっとしんどくなってしまって…。」 心理士 「しんどかったですね。」 患者 「よくわかりません。でももう大丈夫なんで…。母が心配です。」  20~30分、会話を深めようとしたがうまくいかず。...