原因不明の発熱と失神・意識障害、外来対応の基本

1 原因不明の発熱 ●定義 3週間以上にわたり数回の38.3℃以上の発熱があり、3回の外来受診または3日間の入院精査で原因が不明のもの。 めずらしい疾患が原因であるよりは、よくある疾患の非典型的な症状であることが多い。 FUO（fever of unknown origin）は表II-1-1にあげた4つのカテゴリーに分類される。 ●原因 感染症（30%）：（肺外または粟粒）結核、感染性心内膜炎（しばしば培養陰性）、膿瘍、骨髄炎、副鼻腔炎、サイトメガロウイルス（CMV）/エプスタイン・バーウイルス（EBV）感染、人獣共通感染症（Q熱、バルトネラ、ブルセラ）。 膠原病／全身性炎症（30%）：巨細胞性動脈炎、その他の血管炎（高安病、多発血管炎性肉芽腫症〔GPA〕）、成人Still病、全身性エリテマトーデス（SLE）、関節リウマチ（RA）、脊椎関節炎、サルコイドーシス、炎症性腸疾患、甲状腺炎。 悪性腫瘍（20%）：悪性リンパ腫、白血病、腎細胞がん、肝がん、膵がん、大腸がん、肉腫、Castleman病、マスト細胞症、左房粘液腫。...