本当にDifficult Teaching Encounter (DTE)なのか
指導に難渋し、指導者がストレスを感じるようなケースはDifficult Teaching Encounter (DTE)と呼ばれます。医学教育に携わる医師を対象としたアンケートでは、約54%がDTEを「経験したことがある」と回答しました。
後輩を指導していてやりにくさを感じた時、まずはその直感が妥当かについて考える必要があります。
例えば、カンファレンスでほとんど発言しない研修医がいて、やる気がないように感じたとします。しかし実際には、診療に必要な知識を自学自習で補い、患者の診療やカルテ記載には支障がないとすればどうでしょうか。「カンファレンスでは積極的に発言すべきだ」という指導医との価値観の違いに過ぎません。
また、「興味がなさそう」「怠けている」という印象は、診断ではなく、発熱のように「症状」に過ぎません。「症状」の原因を把握するためには、学習者自身の自己評価を確認し、コメディカルや同僚、過去の研修先の評価など、多方面から情報を集めましょう。
そして集めた情報を大別してみます。...
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