1. m3.comトップ
  2. 臨床ニュース
  3. 在宅医療専門クリニックが「有床診療所」を作った理由

在宅医療専門クリニックが「有床診療所」を作った理由

2026年3月4日  南山堂

 「たんぽぽクリニック」は、2000年に在宅医療に特化したクリニックとして開業しました。24時間いつでも対応できる、質の高い在宅医療を地域に提供するために、あえて外来も病床ももちませんでしたが、2016年に16床の病床をオープン。入院しても自宅と同じようにくつろげて、おうちのような温もりのある場所になるようにとの願いを込め、「たんぽぽのおうち」と名づけました。  現在、有床診療所は全国で毎年数百施設ずつ減っており、最近20年間で約1/3と減少の一途をたどっています。有床診療所が激減している理由は、経営難と人材確保困難のためです。このような背景があるにもかかわらず、私たちはなぜ、あえて有床診療所をオープンしたのでしょうか?   「新しい人間関係を作るのは大変なんや!」  50代のがん末期の女性がいました。ご主人と成人したお子さんたちには障害があり、自宅での療養には課題が山積し、ご家族だけでなく、私たち医療者にも不安がありました。自宅での看取りは、介護力の観点からも到底無理ではないかと予測していたのです。  それでも、患者さんの療養生活の不安を少しでも軽減するために、私たちは...