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H. pyloriで消化性潰瘍制圧、胃癌も【平成の医療史30年◆胃疾患編】

2019年1月9日  平成の医療史30年

浅香正博氏  平成の30年間で大きく変わった胃の疾患の診療。治療革命というべきプロトンポンプ阻害薬(PPI)の登場で消化性潰瘍による死亡が大幅に減少したが、今度は再発という新たな問題に直面した。ここで出てくるのが、原因療法につながるHelicobacter pylori(ピロリ菌)の存在だ。その研究の第一人者である北海道医療大学学長の浅香正博氏(北海道大学名誉教授)は、H. pylori除菌療法の普及を「H2ブロッカー、PPIに並ぶ平成の消化性潰瘍治療の大革命」としている。引き続き、浅香氏の話を紹介する。(聞き手・まとめ:m3.com編集部・小島領平/2018年11月26日取材、全2回連載) 研究の原動力は「何でも疑う」 ――ヒスタミンH2受容体拮抗薬(H2ブロッカー)とPPIによって消化性潰瘍の治療が飛躍的に向上しました。  その2剤の登場によって、消化性潰瘍は“亡くならない病気”に変わりました。一方、再発の問題が注目されるようになり、薬物療法をいつまで続けるかが議論されるようになりました。長期投与による副作用の問題もありました。そんな状況で出てきたの...