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明治時代考案の内視鏡技術は平成で定着した【平成の医療史30年◆腹腔鏡下手術/da Vinci編】

2019年4月23日  平成の医療史30年

 腹腔に開けた小さな穴からカメラと器具を入れ、画面に腹腔内の画像を映しながら手術を行う腹腔鏡下手術。もとは検査目的の開腹を避けるために考案された技術だが、手術に応用され、患者に大きな恩恵をもたらすようになったのはここ二十数年のことだ。【平成の医療史30年◆腹腔鏡下手術/da Vinci編】、初回は、わが国の腹腔鏡手術に関するカギとなるデータを紹介する。 内視鏡・腹腔鏡下手術は1990年から100倍に  腹腔に開けた小さな穴から挿入した腹腔鏡下に検査や手術を行うという発想は、1900年前後に生まれている。まず、1901年(明治34年)にドイツの泌尿器科医、マクシミリアン・ニッツェが集光用レンズと反射鏡を利用した膀胱鏡を開発した。これを応用したのが同じドイツ人の消化器外科医、ゲオルグ・ケリングで、動物の腹腔に空気を送り込み、膨らんだ空間に内視鏡を差し込んで臓器を観察することを考えついた。1902年(明治35年)に発表されたケリングの報告ではCoelioscopy(腹腔鏡)という単語が使われた。  現代の腹腔鏡下手術につながる技術の開発は、その後のテレビカメラの小型化を待つこととな...