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ビスフォスフォネート薬でDCISの乳がん進行抑制か

2021年7月10日  フレッドハッチンソンがん研究センター

(海外がん医療情報リファレンス6月30日付記事を転載) ビスフォスフォネート薬は、骨を標的とした一般によく用いられる薬剤である。高齢者が骨粗鬆症の予防や治療のために服用したり、乳がん患者、特に転移を有する乳がん患者が骨病変または骨転移の予防や治療のために服用したりしている。また、肺がん、前立腺がん、多発性骨髄腫などの患者にも投与されている。 骨折を予防し、転移性骨疾患を防ぐことが証明されているこの薬剤は、ほかの分野でも効果を発揮すると考えられる。シアトルのフレッドハッチンソンがん研究センターの研究者らによる新たな分析から、乳がんの最も初期の形態、非浸潤性乳管がん(DCIS)の診断を受けた患者で、ビスフォスフォネート薬によって浸潤性乳がんの発症を防ぐことができる可能性が示唆された。 しかし、ビスフォスフォネート薬をはじめとする骨修飾薬(BMA)には、短期的および長期的な副作用もある。そのような副作用は、心臓病、腎毒性、顎骨壊死(ONJ)などである。顎骨壊死は、顎の小さな部分が露出して治癒しなくなるという、まれではあるが厄介な疾患である。奇妙なことに、骨治療薬は、全体としては骨折を著しく減...