野田光彦氏が選ぶ糖尿病必読論文
2021年8月10日 m3.com編集部
新型コロナウイルス感染症（COVID-19）流行下の2020～2021年夏に発表された必読医学論文をお送りする本シリーズ、第2回のテーマは「糖尿病」。選者は国際医療福祉大学市川病院糖尿病・代謝・内分泌内科の野田光彦病院教授にお願いした。コロナ禍にも多くの進歩があった糖尿病領域において、野田氏が厳選した論文は12編。野田氏のワンポイント解説付きでお送りする（掲載はPubmed ID順）。 Tirzepatide versus Semaglutide Once Weekly in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2021 Jun 25. doi: 10.1056/NEJMoa2107519. GIPとGLP-1のdual agonistで週1回投与タイプの皮下注射薬であるtirzepatideの血糖降下作用と体重への影響をみたものである（前者はtrial product estimandで評価している）。本薬はいくつかの臨床試験においてHbA1cの低下とともに総じて大きな体重減少効果をもたらしており、消化器症状の副作用は懸念されるも...