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小児髄芽腫の放射線治療も個別化の時代へ

2021年8月15日  米国立がん研究所(NCI)

(海外がん医療情報リファレンス8月7日付記事を転載) 小児や若年成人の髄芽腫(進行の早い脳腫瘍の一種)に用いる放射線治療が、いずれ画一的な治療法から脱却するであろう。大規模臨床試験から、長期生存率が影響を受けることなく安全に線量を減らすことができる患児もいれば、標準的な線量が必要な患児もいることが示唆された。 標準治療で標準リスクの髄芽腫の80%以上が治癒するが、放射線が脳の発達に長期的な悪影響を及ぼす危険がある。この晩期障害には、言語機能、学習機能、聴覚、ホルモン機能の障害がある。 この試験の目的は、放射線量を下げたり、照射範囲を狭くしたりすることで「高線量による悪影響を受けずに高い生存率を維持できるか」を明らかにすることにあったと、試験主導者、セントルイスのワシントン大学医学部のJeff Michalski氏は述べた。 6月10日付のJournal of Clinical Oncology誌に掲載された試験結果によれば、放射線の照射範囲を腫瘍周辺の狭い範囲にとどめても、広範囲への照射と同等の効果が得られるという。がんの治療では、低線量照射は標準線量照射ほど効果がないが、このパターン...