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安藤哲朗氏が選ぶ「脳卒中とコロナ」必読論文

2021年8月17日  m3.com編集部

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の2020~2021年夏に発表された必読医学論文をお送りする本シリーズ、第3回の選者は亀田総合病院脳神経内科の安藤哲朗部長。選んだテーマは「COVID-19蔓延期の脳梗塞急性期診療」だ。この夏完成したばかりの『脳卒中診療ガイドライン2021』をはじめ、COVID-19蔓延期の脳卒中診療に関する指針、および脳卒中とCOVID-19の関わりについて論じた厳選4論文について、安藤氏の解説付きでお送りする。    脳梗塞急性期診療は、rt-PAによる経静脈的線溶療法と、ステントリトリバーまたは血栓吸引カテーテルによる機械的血栓回収療法の臨床適用により大きく進歩した。神経細胞が不可逆的ダメージを受ける前に血行再建をするため、脳梗塞治療は時間との勝負となった。限られた時間で診断し、禁忌事項の有無を確認して画像検査などを行い、治療開始の決断をしなくてはならない――そのような脳卒中急性期治療の進歩を概観するには、『脳卒中治療ガイドライン2021』【1】が便利である。rt-PA治療が常時行える体制を整えた施設は日本脳卒中学会が「一次脳卒中センタ...