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膵がん早期発見に糖尿病診断が役立つ可能性

2021年8月21日  米国立がん研究所(NCI)

 (海外がん医療情報リファレンス8月12日付記事を転載) 54歳のBob Aronsonは、息子のTomいわく「非常に健康」であった。 「だから年に一度の眼科の定期検査で、医師から糖尿病の疑いがあると言われた時には、誰もが驚きました」とTomは振り返る。 糖尿病と診断されたBobは通常の日常生活に戻ったが、毎日血糖を測定することになった。しかし、眼科受診のわずか1年後、転移性膵臓がんと診断され、9カ月後に死亡した。 Bobががんと診断された2005年頃、Tomは、自分の主治医らが新規発症糖尿病と膵臓がんの間に関連性がある可能性が高まっていると噂しているのを耳にした。つまり、まれではあるが、膵臓がんによって糖尿病が引き起こされることがあるということである。 家族は、Bobの糖尿病の原因ががんであったかを知ることはできないが、「糖尿病になってすぐにがんの検査をしていたら、どうなっていただろうかといつも考えているのです」とTomは述べた。 ここ数年で、新規発症糖尿病と膵臓がんとの関連を裏付ける科学的根拠が蓄積されている。そして、家族の希望は現実に近づいている。NCIが支援する数件の大規模試験...