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運動で「ケモブレイン」が軽減する

2021年10月2日  米国立がん研究所(NCI)

(海外がん医療情報リファレンス9月24日付記事を転載) 2019年の初め、Dawn Schnellは乳がんの化学療法を開始すると「意識混濁」のような状態を体験するようになった。 「2回の治療中に少し気を失うような感覚に襲われました」当時45歳だった彼女はそう語る。「部屋に入ると、(なぜ私はここに来たのだろう)と思うのです。まるで脳に霧がかかっているようで、以前のように物事がうまく処理できませんでした」 これは何もSchnellに限ったことではない。乳がん患者の4分の3が、化学療法中に「ケモブレイン(chemobrain)」や「ケモフォッグ(chemofog)」と呼ばれる認知機能障害を報告している。症状には混乱、記憶喪失、集中困難、注意散漫などがあり、このような認知症状の問題は、化学療法の終了後も何年にもわたり続くことがある。 身体活動に、乳がん患者のこうした問題を予防する効果があることが示唆されている。そこで、Schnellは医療従事者のアドバイスに従い、化学療法の期間中、これまで以上に体を動かすようにした。治療の痛みがある日にも、屋外を早足でウォーキングしたり、ルームランナーで歩いた...