マルチビタミン・ミネラルで高齢者の認知機能改善

高齢者2262例（平均年齢73歳、女性60％、非ヒスパニック系白人89％）を対象に、カカオ抽出物（フラバノール500mg/日含有）および市販のマルチビタミン・ミネラル（MVM）の連日摂取による認知機能改善効果を3年間の大規模無作為化2×2要因試験で検討（COSMOS-Mind）。主要評価項目は、3年間のカカオ抽出物摂取による認知機能に関する各種検査の平均標準化（z）スコア（摂取前との比較）から生成した全般的認知機能複合スコアの変化とした。 カカオ抽出物による全般的な認知機能への効果は認められなかった（平均zスコア＝0.03、95％CI －0.02-0.08、P＝0.28）。MVMにはプラセボと比較して全般的な認知機能に対する統計学的に有意な便益を認め（同0.07、0.02-0.12、P＝0.007）、この便益は心血管疾患の既往がある参加者で最も顕著だった（既往なし0.06、95％CI 0.01-0.11、既往あり0.14、95％CI －0.02-0.31、交互作用、名目上のP＝0.01）。カカオ抽出物とMVMの交互作用は、いずれの複合スコアでも有意ではなかった。...