橋本病(HT)の病因に、組織由来の小型細胞外小胞(sEV)に内包されたマイクロRNA(miRNA)が果たす役割と機構を検討。患者(80例)のHT組織と正常組織を用いて、RNA配列決定や定量的RT-PCR(リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応)、ロジスティック回帰分析によりHTと最も関連性の高い組織由来sEVのmiRNAを検証した。さらに、HT発症に関与するsEV miRNAの機能や機構を解明するために、in vitroおよびin vivoの実験を行った。 その結果、Tリンパ球由来sEVに内包されたmiR-142-3pが、制御性T細胞の機能不全と甲状腺細胞の破壊を誘発する可能性があることを確認した。非肥満糖尿病H-2h4マウスのHT発症は、miR-142-3pの不活性化によって効果的に予防できる。組織由来sEVのmiR-142-3pが介在する強力な有害作用は、RAC1の下方制御によるERK1/2シグナル伝達経路の活性化阻害能力に起因することを発見した。...
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