ASD患児へのOT連続投与、暗黙的な学習効果減弱か

8-12歳の自閉スペクトラム症（ASD）患児61例を対象に、オキシトシン（OT）経鼻連続投与（12 IU、1日2回4週間）が顔の表情に対する神経感受性に及ぼす影響を二重盲検無作為化プラセボ対照試験で探索的に検討。周波数タグ付けによる脳波検査を用いて感受性を定量化した。ベースラインでは、ASD患児の神経評価を、年齢および性別をマッチさせた定型発達（NT）児39例と比較した。 その結果、ASD患児では、NT児に比べて顔の表情に対する神経感受性が低下していることが示された。経鼻スプレーの使用後および追跡調査時、プラセボ群のみで神経感受性が有意に上昇した。これは、おそらく暗黙的な学習効果を反映していると考えられた。OT群では、ベースラインから投与後まで神経感受性は影響を受けないままで、これは、通常は生じる暗黙的な学習効果の減弱を反映していると考えられた。...