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バルサルタン、早期HCMの疾患修飾作用認められず

2023年10月14日  専門誌ピックアップ

サルコメア遺伝子バリアントを保有する無症状の早期肥大型心筋症(HCM)患者34例(平均年齢16歳、白人)を対象に、バルサルタンの疾患修飾作用を多施設共同二重盲検プラセボ対照無作為化試験(VANISH試験)で検討。主要評価項目は、心臓リモデリングパラメータ(左室容積、左室壁厚、左室心筋重量、左房容積、E′速度、S′速度、血清トロポニン濃度、NT-proBNP濃度)の変化量を統合した複合zスコアとした。 その結果、心臓リモデリングに対する有効性に、バルサルタンとプラセボで統計学的有意差は認められなかった(複合zスコアの平均変化量:-0.01、95%CI -0.29-0.26、P=0.92)。2年時点で認められた表現型進行は、軽度の左房容積増加だけだった(3.5mL/m2増加、同1.4-6.0、P=0.002)。6例(18%)に臨床的に明らかなHCMを発症したが、発症した患者の方がベースラインの左房容積係数(LAVI:35mL/m2 vs. 28mL/m2、P=0.01)および平均心室中隔厚(8.5mm vs 7.0mm、P=0.009)が大きかった。...