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ALS患者の発話を高精度で実現する装置

2024年9月22日  New England Journal of Medicine

四肢不全麻痺と重度構音障害を有する筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者1例(45歳)を対象に、ブレインコンピュータインターフェイス(BCI)であるスピーチ・ニューロプロテーゼの性能を検討。発症5年後に微小電極アレイ4つを左腹側中心前回に外科的に埋め込み、患者が発話しようとした際の大脳皮質の神経活動を皮質内電極256個から記録した。解読された語彙は画面上に表示され、発症前の患者の声に似た音声へと変換させた。 その結果、使用初日(埋め込み25日後)に、ニューロプロテーゼは50語の語彙を認識し、精度は99.6%に達した。ニューロプロテーゼのキャリブレーションには、患者が発話しようとする間の大脳皮質記録に30分必要で、その後、処理された。使用2日目に1.4時間の訓練をした後、12万5000語を精度90.2%で解読した。さらに訓練データを用いて、8.4カ月間にわたり精度97.5%を維持した。患者は1分当たり約32語の速さで累積248時間以上、自分のペースで発話によるコミュニケーションを行うことができた。...